スイスフラン/円の特徴と傾向

スイスフラン/円の特徴と傾向

為替差益やスワップポイントを大きな目的としてスイスフランを取引する人はあまりいないでしょう。それ以外の価値を求めて取引されることが多いです。
 それは、避難通貨としての価値です。スイスは永世中立国であり、他国の経済的・政治的要因から大きな影響を受けにくいのです。そのため、経済的な不安が起こった時には、資産を逃がすためにスイスフランを買う人が増えます。実際、欧州債務危機(ギリシャショックに端を発するユーロ危機)の際には多くのユーロが売られ、反対にスイスフランが非常に買われました。
ただし、スイスフランが避難通貨であるのと同時に、円にも避難通貨としての側面を持っています。9.11のテロがあった時などはドル売りが進んで円買いが進みましたが、これも円に避難した結果です。つまり、スイスフラン/円の取引をするときには、円売り・スイスフラン買いという現象が起きにくく、したがって利益も出しにくい通貨ペアなのです。
また、そのほかの共通点としてはスイスフランも円も低金利であるということが挙げられます。スイスの政策金利は低く、日本に比べて多少高いというレベルであり、金利差は小さいです。したがってスワップポイントを狙った取引にもうまみはありません。 

 

 為替レートを規定する要素は様々ですが、日本の投資家は金利差を重視する傾向があります。これは、日本の政策金利が世界的にみても“超”がつくほどの低金利なので、少しでも高い金利で運用したいと考えている人が多いことに依ります。その結果、日本の投資家は豪ドルなどの高金利通貨を、他国の投資家よりも好む傾向があります。 
 そのような日本人の投資家の特性を考えてみても、スイスフラン/円を取引するのはうまみがありません。当然ながら買いたいというニーズはあまりなく、取引量も多くありません。取引の際には取引通貨の金利政策発表には注目するものですが、スイスフラン/円は金利差が取引の材料にはならないため、それほど重要視されていません。

 

 スイスフラン/円の値動きの特徴は、レンジ内で推移するボックス相場に終始することが多いということです。したがって、往々にして保ち合い相場は取引しにくいものですが、スイスフラン/円も買うにも売るにも仕掛けにくい相場ということができます。また、スイスの国内情勢や経済に関するニュースもほとんど入ってこないため、積極的に売買していくことも難しいです。

 

 以上のように、スイスフラン/円の通貨ペアは金利差がほとんどないため長期保有する意味があまりなく、さらに、値動きの材料が少ないので仕掛けにくく、積極的に為替差益を狙うことも難しいです。
 そのため、非常に取引をする意義に乏しい通貨ペアであるということができます。